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すべては道楽から・・ 飲む・打つ・買う、の3ドラ煩悩(ぼんのう)

落語が描く世界では、男には三つの道楽があって、これを極めるのは男の甲斐性、ということになっています。


三道楽煩悩(三ドラぼんのう)などと予備、飲む・打つ・買うの3種目(笑)です。

飲むは、もちろん酒を飲む、打つは博打を打つ、買うは女郎を買う、という意味ですね。


女郎だけは、一応表向き、現代の日本では許されていませんが、昔から今の世に至るまで、男の道楽と言えば、この三ドラ煩悩でしょう。


落語のネタで、この3つの道楽に嵌ったが故に織り成されるドラマと滑稽話がいかに多いことか・・・


人の性(さが)、欲張りな人間の本質が、噺の原点になっているところが落語の醍醐味でしょう。


例えば、酒好きの男がしくじったり、立ち直ったりの人間ドラマや滑稽噺では、かの有名な「芝浜」、幇間の久蔵が主人公となる「富久」。

同じく博打で人生を誤った男が主人公となるのは、これも有名な「文七元結」、賭場がテーマでは大きな勘違いで笑わせる「今戸の狐」。


しかし何といっても、志ん朝の十八番は、廓(くるわ)噺でしょう。 単なる男と女の噺ではなく、売春という人類最古のビジネス模様を見せる、吉原、品川、千住などの遊郭を舞台に、実に様々な登場人物が織り成す、欲、金、嘘、プライド、情、家族、友情、の世界。


特に、女郎や女将を演じたら、志ん朝の右に出るものはいませんし、現在までも、あれだけ演じられる噺家はいないと思っています。


「三枚起請」「お見立て」「お直し」「お茶汲み」「品川心中」「文七元結」に登場する、花魁役、女将役は志ん朝以外の語りでは考えられない程、自分には刷り込まれています。


花魁、女将だけでなく、遊郭という世界に生きる様々な人物の噺もまた面白いですね。代表はなんといっても「居残り佐平次」。 佐平次が真似する花魁の素振りがまた素晴らしいです。


「付き馬」「明烏」なども、廓をめぐる傑作噺。 


どれも江戸に生きた遊び人たちが活き活きと描かれていますね。


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