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のちぞい(後添い)

いわゆる、後妻、奥さんを亡くした後に再婚で嫁にくる伴侶のことをいいます。

「ごさい」などと呼ぶよりずっと音感もいいし、奥ゆかしい気がします。

志ん朝の演目、「三年目」で聞いた、なるほど!の日本語です。

「三年目」は病弱で余命が無いことを覚悟した妻が、亡くなる前に「私が逝った後、こんなに優しい貴方が後妻を迎え、その方を可愛がると思うと気がかりでしかたがない。」と。

旦那は「私は後妻を迎える気など無いが、万が一そうなったら初夜の晩に幽霊となって出ておいで。後妻も驚いて家を出て行ってしまうよ。」と、病床の妻に配慮してそんな話をする。

その時のやりとりで、病床に伏せる妻のセリフが、

「わたしが目をつぶったあと(死んだあと)、あなたはお歳がお若いのですから、きっと後添いをお持ちになるでしょう。その方を、あたくしにしてくだすったように、かわいがるのかと思うと、それが気がかりで気がかりで」

なのです。

女性のこだわり、体裁、というものの真実を突いた落ちが待っている秀作ですが、志ん朝の演じる女性って見事ですねぇ。

 

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